夕陽とプールの別荘

 

夕陽とプールの別荘

 

概要

建築場所 鳥取県米子市
竣工 2018年8月
施工 株式会社 平田組

広報担当より

山陰の貴重な夏をゲストと共に楽しむプール付きの別荘

白く明るい左官職人の手塗りの外壁が堂々とした印象を生み出しているのが「夕陽とプールの別荘」です。
決して表側からは、タイトルのようにプールがあるような別荘には思えません。個人の邸宅のように見えます。
しかし、初めて訪れるゲストには驚きを与えるようなプールが裏側に配された別荘となっています。
オーナーにとってはプライバシーを確保し、また、ゲストと一緒に山陰の貴重な夏を楽しむことができる別荘になっています。

連続する子上がりは、リビングからの感動のため

玄関の子上がりを登り、繊細で美しい玄関ドアを抜けると現れるのが、玄関からのリビングまでの2つめの子上がりです。
少しの違和感を感じながらもリビングまで上がると、その違和感が払しょくされる光景が目前には広がります。
美しい日本海がプールと一続きになるように現れるのです。
真夏の昼の真っ青な海、夕焼けが沈む海、冬の雪とともに荒れ狂う海、どんな季節であっても感動的な光景です。
それらを訪れたゲストだけではなく、オーナーでさえも建築の内外から楽しむことができるのです。
これらの優れた眺望を生み出すリビングの高さこそがこの建築の一番のポイントになっています。

計算された床高が本当に一番ベストな高さなのか?

この「夕陽とプールの別荘」の設計上ポイントは、上でふれたとおり「優れた眺望を生み出すリビングの高さ」にありました。
そこには建築までに多くの時間を「現場で」かけて検証を行いました。
具体的には、施主やゲストなど目線を想定し、リビングに立った時点でプールと海が一直線につながる光景を生み出す高さ、その「高さ」こそがこの建築におけるもっとも重要なポイントとなってきます。
もちろん、これらは設計事務所内の机上でも計算は可能です。しかし、現地で目視しないと計算のできないことも発生します。
そのため、実際に現地に仮設の足場を立て、「計算された床高が本当に一番ベストな高さなのか?」について実際の検証を行いました。

多くの難問の解決もチームとともに

この「夕陽とプールの別荘」では、床高以外の問題も多くありました。例えば、プールの水の確保の問題です。
プールの水は、それなりの量となります。水道+循環システムを使用するという案もありますがオーナーが建築後負うメンテナンスなどの問題も発生します。
そのため、井戸水がベストということとなりますが、海の近くなど、井戸の採掘に当たっては計算できないリスクも数多くあります。
具体的には、相応のコストをかけて井戸を掘っても使用に適する水が本当に出るか?という問題があります。
実際には、施主様も建築家もリスクを取って井戸を掘り、無事使用に適した井戸水を確保することにつながったのでした。
このようなリスクへの対処等、施主様+施工者+建築家がチームとなって取り組んだからこそできた「夕陽とプールの別荘」なのです。
リビングから見える大山の作りこみ、造作の大理石のキッチンバー+カウンター、高価なウォールナットに塗装をして仕上げたキッチン、左官職人とこだわりの材料配合を行って仕上げた塗り外壁など、この建築には紹介しきれない多くの見どころがあります。
また、これらの箇所も、「チームとともに」だからこそ完成したこの「夕陽とプールの別荘」の見どころなのです。

(広報担当 N)