大山と空

大山と空

概要

建築場所 鳥取県米子市
竣工 2022年5月
施工 株式会社 平田組

建築家(藤原伸一)より

この住宅は、米子市の住宅街の端に位置し、東側が一面田んぼが広がり、その先に王子製紙の煙突そして大山が見える。
朝は大山越しに朝日が見え、夜は大山と工場のライトと夜空に星が見える。
住宅の特徴:ガレージ+住宅
正面道路から一旦引いたラインから横一線にガレージ+住宅を配置している。
なので、道路から大きな壁がプライバシーを守り、その壁を抜けることで室内(プライバシー空間)に入る。そして、玄関からリビングへ抜けると、東側に広がる眺望(大山と空)が現れ、広々としたリビング・キッチンへと繋がる・・・。
この敷地の特徴と動線を考慮した住宅である。

広報担当より

明るく横に広がりのあるガレージのある家

白く明るい外壁と広いガレージが印象的な家、それがこの「大山と空」です。
全体的に横に広がりを持った家で、平屋のようにも見えるかもしれません。(実は2階がある建物なのです!)
しかし、外観を見ていても「大山と空」の意味するところはわからないように感じます。
なぜなら、正面から建物を眺めていても、大山のみならず中の様子が一切わからないからです。
それはクライアントさまのプライベートな空間と外の空間との意識的な境界線を引き、プライバシーを守ったり、オンとオフの切り替えに一役買っているというところもありそうです。

大山と空を眺められる広いリビングダイニング

建物の中に入ると、柱が少ない広いリビングダイニングが広がります。
左側には落ち着いた雰囲気のkitchenhouse製のキッチンとダイニングスペース、右側にはリビングとスタディスペース、そして落ち着いた色合いの造作収納などがデザインされています。
このような配置により、キッチンで家事を行っていても全体を見渡し、家族と深くコミュニケーションを取ることができるようにゾーニングされています。
それだけではありません、タイトルの「大山と空」のとおり、キッチン、リビングダイニングから眺められる窓の外には、綺麗な大山と空を見ることができます。(今回は、天候の関係により大山が見える写真が撮れず残念でした…)

1つ1つ異なる環境を大切にしながら

チームスタジオアーキテクツでは、建物が建つ立地環境を、室内空間のゾーニングと同様か、それ以上にとても重要に考えています。
光や風などの自然環境、土地の形状、隣の家との関係、例えば、今回のプロジェクトのように隣の土地との間に建つ塀の存在まで、緻密に考慮に入れながら設計やデザインを行っています。
今回は、建築前から存在してた塀を活用したことで、カーテンを開けていても、プライバシーを守りながら美しい「大山と空」を眺めることができる空間の家づくりができました。
このように環境を重視することは、快適な家づくりには必要不可欠です。
その他にも、環境を変えるための余計な工事やコストをかけないこと、昔からあるものを大切にすることなどにもつながり、その手間などは、さらに他の部分を良くすることにつながったりもすることもよくあります。
そのように、現地での観察なども含め、環境について考える時間を多く割いてプロジェクトを進めています。

これまでのプロジェクトの知恵を活かしながら

この「大山と空」の家では、これまでチームスタジオアーキテクツで手掛けてきた多くのプロジェクトの知恵が各所に活きています。
例えば、ガレージに関しても、これまでスポーツカーなどを保管できるガレージハウスのプロジェクトも多く手掛けてきました。
そのため、たとえ低床の車であっても出し入れに極力苦労しないような勾配などの配慮など各所に注意を払っています。
その他、各種の土地に関わる調整や、耐力壁や柱を考慮して広く感じさせる設計の工夫、美しい照明デザインなど、小さな工夫や配慮を手間ひまかけて行い、建築中から建築後も含めてクライアントさまが困ることのないよう、また快適に暮らせるようにチームで努力を行っています。
このように今回の「大山と空」も最新の作品ではありますが、これまでの作品の知恵が多く詰まった家であるのです。

(広報担当 N)