成長する小屋

成長する小屋

自然素材と人工素材との組み合わせにより自然を表現した。
自然素材=木材 自然素材+人工素材=鉄 人工素材=FRP
木は加工され、デッキに姿を変えた後でも呼吸し変化し続ける。その香りと肌ざわりは人に心地よさを感じさせる。
日よけ部分のFRPは、自然界にある植物を模しているにもかかわらず、時を経てもほとんど変化しない。利用されることが無ければ、たちまちに厄介なゴミと化してしまう。反面、遊具などに多く使用されるように、加工・管理面でも使用時の安全性の面からも利点の多い素材である。この設計では、利用する人が立つ位置を変えることで視覚的な変化が楽しめる。時間や季節ごとの太陽の位置や光の強さによる、影や形・色の変化の美しさを感じることができる。
収納機能をもつ2本の柱と、中央のワイヤーメッシュは金属であり、時間の経過とともに酸化し赤くさびていく。
植物と同じように建物も利用され、管理・手入れされることにより、我々に恩恵を与えてくれる。そして、さらに我々と一緒に変化し、成長し続ける。

デッキは、子供たちが寝ころがって遊ぶことのできる広さがあり、同時に周りに配置された再利用ベンチに座れば、大きなテーブルに姿を変える。
そして、太陽の陽をあび風雨の時を経て、色はもちろんその形状まで変えていく。放っておくといずれは朽ち、ゆっくりと土に戻る。そのため、長い年月その機能を維持する為には管理と手入れ・知識が必要となってくる。

(藤原 伸一)

 

概要

建築場所 鳥取県鳥取市
竣工 2007年
施工 -