米川沿いの家

 

米川沿いの家

 

概要

建築場所 鳥取県米子市
竣工 2019年2月
設計/監理 株式会社 TEAM STUDIO ARCHITECTS
施工 株式会社 平田組

広報担当より

川の上を浮かぶ船のようなデッキが特徴の家

米子市内に建つ広いデッキスペースに特徴を持った家が「米川沿いの家」です。
名前のとおり、この家のそばには市内を流れる米川があり、風景にもうまく調和しています。
特に、黒でデザインされた美しく特徴的なデッキ部分の影響で、何となく川の上を浮かぶ船の様にも見えなくもありません。
このように「米川沿いの家」は、デザイン面において周りの河川などの自然環境にうまく調和しているように感じられますが、それはデザイン面だけのことではありません。
実際にこの家は、自然環境以外にも可視・不可視関わらない数多くの(調和=)「つながり」を意識してデザインされた家なのです。

たくさんの「つながり」を切ってしまわないように

チームスタジオアーキテクツでは、建築デザイン前に周辺環境の調査等に時間の多くを費やします。
それは、“その場所にその建築が作られる理由を探るための調査”でもあります。
この「米川沿いの家」では、それらの調査において、たくさんの「つながり」を発見することに繋がったのでした。
この家では、その「つながり」を特に意識してデザインされています。
例えば、外部環境と内部の「つながり」がその1つです。
この「米川沿いの家」においては、プライバシーを確保しながらも、外部とのつながりもしっかりと感じられるフロア構成が行われています。
具体的には、メイン空間となるリビングダイニングはこの家の中2階に配置し、特徴的なデッキと一体に川沿いの外部環境とのつながりを保っています。
また、その他(2つめ)の「つながり」として、フロア構成がスキップフロアに近い構成になっていることも挙げられます。
そのようにすることで、空間を完全に仕切ってしまわないようにしています。
(「斜めの建築」の思想をもとに)フロアを分けながらも広い階段でつなぐことは、それぞれの個別空間を作り出しながらも、家族の気配を常に感じられるような、心地よい家族同士の距離感を作り出すことに成功しています。
そのようにして家族同士が居心地の良い適切な距離感(「つながり」)を保てるようにしています。

クライアントの考えや将来に沿った家を作るために

この「米川沿いの家」では、そのほかの注目すべき特徴やポイントが数多くあります。
その中で1つ注目したいのは、造作で作り上げたダイニングテーブルと、それにつながったキッチンでしょう。
開放的なリビングダイニング内において家族やゲストが会話を楽しみながら料理などを行えるのが特徴で、チームスタジオアーキテクツにおいてデザインし、家具職人に製作を依頼した無二のオリジナル造作キッチンとなります。
その他、子供の成長に合わせて部屋を区切れるように、また巣立った後は元に戻すことができるようになど、スペースの構成などもシンプルでフレキシブルなものになるように心がけてデザインを行っています。
ここにも「つながり」の考えが関わっています。

チームスタジオアーキテクツらしい家

上記のとおりチームスタジオアーキテクツでは、建築デザインの前に“その建築が存在する理由”を探るための調査に多くの時間を割いています。
そのようなプロセスにおいてこの「つながり」は、ほぼすべての建築において最も注意深く精査する項目の1つであると言えます。
外部とのつながり、自然とのつながり、家族とのつながり、将来とのつながり、(クライアントの)想いとのつながりなど、そのほかにも多くの「つながり」があります。
「斜めの建築」の思想なども用いながら、この「つながり」を多く意識し、それが表現されている家(建築)という点では、この「米川沿いの家」はチームスタジオアーキテクツらしい家といえるのかもしれません。

(広報担当 N)