松江の古民家別荘(リフォーム)

松江の古民家別荘(リフォーム)

 

概要

建築場所 島根県松江市
竣工 2017年9月
施工 株式会社 平田組

広報担当より

昔ながらの雅さにプラスアルファを加えた古民家別荘

松江市内の歴史ある地区、そこにある昔ながらの雅さを感じさせる古民家が「松江の古民家別荘」です。
建物のインテリアもエクステリアも、また庭さえも、古き良き雅さを感じさせながら。
昔ながらの町屋建築の良さをそのまま綺麗に残しながら、玄関のLED間接照明や、現代のデザインが取り入れられた建具など、新しいものもさりげなく取り入れられていることがこの建物(プロジェクト)の最大の特徴となっています。

価値があるものをさらに磨いてのこす

このプロジェクトは、先祖から受け継いだ市内の古民家を別荘として活かしたいというクライアントのご依頼からスタートしました。
対象の建物は、多くある農家的な古民家とは異なり、松江市内の歴史ある地区の建物で、デザインは古き良き雅さを備え、良い素材で緻密に造られた町屋建築でした。
クライアントと検討の結果、また別荘としての活用方法ということも考慮した上で、これまで過去に増築されてきた部分を取り払い(減築し)、多くの良さが残る昭和9年建築当時の姿に戻すということが決定しました。
そういったことから、建物内外、庭等を含め建築当時の良いところを残し、老朽化した箇所を新しいデザインとともに修繕することを行っています。
美しい庭や歴史を感じさせる玄関奥の階段など、古く良い建物を、今回のリフォームでさらに引き立たせる、目立たせるようなデザインをチームスタジオアーキテクツでは行っています。
今回のプロジェクトは、新築で新しい価値を生み出すことではなく、価値があるものをさらに磨いてのこすことに重点が置かれたプロジェクトとなりました。

チームスタジオアーキテクツとして古民家に関わる意味

チームスタジオアーキテクツとして、このような古民家プロジェクトに関わることについてはどのような意味があるといえるでしょうか?
弊社は、これまで多くの古民家リフォームプロジェクトを手掛けてきました。
当時の構造や工法の知識・ノウハウもそれらのプロジェクト等から蓄積し続けています。
例えば、今回のプロジェクトでは、新しい材料等も取り入れてはいますが、木材は古いものを使用するなど、一定の知識や手間(時間)をかけなければできないような取り組みも多く行っています。
つまり、知識やノウハウを得、相応の手間をかけることで、古い建築の持つ良さを「磨いて」のこすことが可能になります。
また、知識を持った宮大工さんや左官さんとともにチームを組み、しっかりと施工・監理などを行うことも可能になります。
このような点において、チームスタジオアーキテクツでは、古き良き建築をさらに磨いて後世にのこす取り組みもこのようなプロジェクトを通して行っています。

少子高齢化で増加する古民家の「家余り」

今後、少子高齢化のため、先祖代々から受け継いだ家が余分になる「家余り」の現象も多く発生すると予測されます。
通常であれば、古い建物は壊してしまい、土地を売却するか、新しく建物を建築するか、そのような選択肢となるでしょう。
しかし、このプロジェクトのように、価値を持った古民家をさらに磨いて古民家別荘として再生することも1つの良い活用方法です。
そういった意味で、この「松江の古民家別荘」は、価値ある古民家をのこす別の選択肢の存在を強く示しているとも言えそうです。

(広報担当 N)