南房総の別荘
概要
建築場所 千葉県南房総市
竣工 2016年1月
施工 有限会社 石井材木店
広報担当より
この「南房総の別荘」は、落ち着いた佇まいを持つ海辺の別荘です。
外壁は、高級木材である赤杉の木板で覆われており、この南房総地域の海辺の住宅と雰囲気を同じものにしながらも、独特の存在感を漂わせています。
この別荘のプロジェクトでは、この別荘以外にも隣接する古家の増改築も同時に行いました。そのため、隣接する建物ともデザインの統一感がとれ、また建物のボリューム自体も大きいため、おしゃれな店舗のような商業施設のようにも見えるかもしれません。実際のところ、地元を訪れた観光客に商業施設に間違われることもあるそうです。
クライアントは、余暇を家族や友人と過ごすため、またご自身の趣味や休息の時間を過ごすため、この別荘をオーダーしました。
この別荘は、2つの棟から構成されています。1つは、前面道路から見て手前側に配置されているガレージ(1階)と趣味スペース(2階)から成る棟、もう1つは、奥側に配置されているリビングダイニング(2階)と寝室・水回り(1階)から成る棟です。
その2つの棟は、中央のデッキスペースで2階部分がつながっています。このデッキスペースは前面道路からは視線を防がれ、逆に道路のない裏側方面には視線は開けています。そのため、プライバシーに配慮しながらも、気持ちのいい開放感を味わうことができるようにデザインされています。
この2階部分は、景色や夜景を眺めながら家族や友人とゆったり談笑したり、食事をしたり、趣味を楽しむための絶好のスペースとなっています。
この別荘の設計にあたって、チームスタジオアーキテクツでは、実際に南房総に何度も足を運び、周囲の自然環境などを十分に確認した上でデザインを行っています。
一般的に別荘が建築されるような地域では、素晴らしい景観や自然環境に恵まれることが多いものの、そのような場所では暴風雨や積雪、湿気など厳しい自然環境にさらされることもしっかり考慮しておかなければなりません。
この南房総の地域においても、海辺のため風が強く、湿気も多いことから、そのための対策をとる必要がありました。具体的には、風対策のため、建物の高さを抑え気味に(半地下なども活用)設計することや、湿気対策として、2階部分にリビングダイニングやデッキスペースを(まるで高床式の住宅のように)配置し、1階部分の通気部分を設ける工夫などを行っています。
チームスタジオアーキテクツでは、クライアントの夢や想いを受け取ると同時に、周囲の環境(その地域の文化や自然環境など)を深く理解し、建築やデザインの中に取り込んでいくことに重きを置いています。
そのような取り組みを行うことで、クライアントの想いにも周囲の環境にも、必然的にピッタリな1つの答え(建築)ができあがります。チームスタジオアーキテクツの手掛けた建築のそれぞれが、デザインも素材も、また持つ雰囲気さえも異なっているのはこういった理由からです。
この「南房総の別荘」についても、クライアントの想いと周囲の環境から必然的にうまれた1つの答えなのです。
(広報担当 N)