テラスのある家

テラスのある家

 

概要

建築場所 鳥取県鳥取市
竣工 2016年5月
施工 有限会社 ヤマタホーム

 

広報担当より

「テラスのある家」は、外観を黒色でまとめた落ち着いた和モダンの家です。

しかし、明るい色調の木材と金色の把手(とって)を使った玄関ドアや、玄関下に敷かれた大谷石を見ていると、他の和風建築とは何か異なっていることを予感させてくれるものとなっています。

その予感どおり、建物の裏側には、滅多に見かけることのない大谷石の広いテラスが配置されています。
この建物の一番の注目点は、タイトルのとおり、この広い大谷石のテラスです。

他の建築においても広く美しい洋風のテラスを見ることができますが、この家は、大谷石を広範囲にわたって敷きつめた珍しい和風のテラスになっています。

この大谷石のテラスは、珍しさや美しさだけではありません。多くの役割を持っています。

子供を遊ばせたり、お茶をしたり、食事をしたりと、一般的なテラスとしての機能はもちろんのこと、テラスを中心として、テラスより外の空間(木や石なども含めた庭全体)を室内の空間とつなげる役割も持っています。

7メートルもの幅がある開口部(サッシ)を全て解放し、室内から屋外を眺めると、全体が一続きであるかのような錯覚をも覚えます。その効果により、室内を実際の床面積以上に広く感じさせる役割も担っています。

また、広いテラスの上に置かれた大きな庇(ひさし)は、夏の強い太陽光を遮りながらも、冬は太陽光を取り込むという機能を持っています(季節ごとの太陽の角度(高度)の違いを利用します)。

これらの工夫により、室内を広く感じさせ、加えて年中明るく快適な空間になるようにデザインされています。

次に、この家の隠れた注目点についても触れておきましょう。

その隠れた注目点というのは「収納」です。

この家では、広くてシンプルなリビングスペースに目を奪われ、または平屋という特性からも、収納スペースが少ないようにも感じられるかもしれません。

しかし、実際はそんなことはありません。

壁の模様にも見える造作物はすべて収納となっており、壁一面を収納とすることができます。

これら壁面の造作収納については、クライアントと共に収納サイズ(何を収納するのか?)や収納方法(そのまま収納するか?カゴ等に入れて収納するか?など)に考慮し、サイズ・配置等が考慮されています。

それぞれの収納場所に見せる収納と見せない収納を分けて行うことで、収納されたものさえもインテリアになるようにデザインされています。

各個室などの扉も壁面収納の中に溶け込んでおり、各個室さえも収納されているようにも見えます。

また、天井奥(黒い手すりが見える箇所)には広いロフトスペースも配置されています。この広いロフトスペースには物を多く収納することも可能ですが、ちょっとした作業スペースにしたり、子どもの遊び場として活用することも可能です。

この「テラスのある家」は、広いテラスに、広い室内空間、広い収納と、平屋の常識やデメリットなどを感じさせない家となっています。

 

(広報担当 N)