少し離れた二世帯住宅
概要
建築場所 鳥取県米子市
竣工 2020年1月
設計・監理 TEAM STUDIO ARCHITECTS
施工 株式会社 平田組
広報担当より
周辺の住宅・自然環境と調和しながらも存在感を与える住宅
郊外の自然環境の良いエリアに建ち、シンプルで周辺環境と調和した外観を持つ住宅が「少し離れた二世帯住宅」です。
この住宅は、クライアントが子どもの頃から慣れ親しんだ地域にあり、また地域集落の入り口に位置しています。
新築の物件でありながらも、木材の使用や彩度を落とした配色により、一定の存在感を周りに与えながらも、過度に主張しすぎないようなデザインが施されています。
「少し離れた~」が意味すること
タイトルには「少し離れた~」という表現がありますが、写真をご覧になられた方は「一世帯住宅では?」と思われるかもしれません。
そのとおりこの住宅は、子ども世帯(子ども+孫世帯)のみの一世帯分であり、もう一世帯(親世帯)についてはすぐそばに立地しています。
二世帯住宅というと2つの住宅が合体した住宅を多くの場合想像しますが、この度の住宅は、真横に繋がっている訳ではなく、すぐそばに離れて建つ住宅です。
そのため、この二世帯をつなぐためにも徒歩や自動車における動線や、お互いのアクセスのしやすさに工夫がされており、具体的には、駐車場などの配置も相互の世帯が利用しやすいようにデザインされています。
なお、近年では親世帯、子世帯の両方において適度な距離感を求める考えが主流となりつつあるようです。
そのようなことからこの新しい二世帯住宅の考えは、広い土地が都会と比べて安価に取得できる地方都市においては、今後一般化していくのかもしれません。
少し離れた二世帯だからできること
このように「少し離れた二世帯住宅」は、これまでの一般的な二世帯住宅とは、考え方において少し異なる部分を盛り込んでデザインされています。
しかし、この「少し離れた~」からこそ可能になるメリットもあります。
例えば、先ほど触れた「二世帯が適度な距離を保つことができる」というメリットの他にも、敷地を広く子世帯のためだけに使用できるという点も大きなメリットになります。
この住宅においては、クライアントのお考えをもとに「動線」に拘った空間のデザインが行われています。
例えば、子どもが外から帰宅した際の「収納~洗面~リビング」の動線や、買物から帰宅した際の「玄関~パントリー~キッチン」の動線などが工夫され、それぞれの家事・生活動線に配慮された動線設計が施されています。
二世帯の制約のため敷地面積が限られる従来からの二世帯住宅では難しかったことも可能になってきます。
これまでの常識から少し改善することで
その他、あえてフラットな空間に段差を設け、目線の高さを外すことで心理的にも広く意識できる空間を作り出したキッチンダイニング・リビングの工夫など、これまでの二世帯住宅の印象とは異なる空間作りをチームスタジオアーキテクツでは心がけました。
「これまでの常識を疑い、改善すること。その改善の努力で住環境のQOL(Quality of Life)を高める事ができる」そのように私たちは考えて日々デザインなどに取り組んでいます
(広報担当 N)