柱の並ぶアプローチが迎える家
概要
建築場所 島根県大田市
竣工 2017年3月
施工 株式会社 ヒロシ
広報担当より
この「柱の並ぶアプローチが迎える家」は、黒い外観と美しく並ぶ柱のアプローチを持った家です。
特徴的な外観は、周りの風景から浮いてしまうという問題を抱える場合などがありますが、ここでは土地に古くからあった石垣や植栽の木々をあえて残し、デザインに取り込むことで外観を風景に馴染ませることに成功しています。
家の中に入ってまず目を奪われるのは、玄関を入ってすぐに配置されている土間スペースと、そこに置かれる薪ストーブではないでしょうか。
土間スペースには大きなすりガラスが配置され、日中は明るい光をプライバシーを保ちながら室内に届け、夜は薪ストーブの光を引き立たせる黒い背景にもなります。
なお、土間スペースはクライラントの考えに合わせて拡張性を持たせたつくりになっており、将来デッキを外につくり、室内とつなげたりすることも可能になります。
次に、室内に目を向けると、この家には空間の広さが感じられるように壁は最小限しかありません。
しかし、リビングやダイニング、和室やキッチンなど各スペースは不思議と分離されているように感じます。
これは、フロアの高さをそれぞれちがう高さに設定している事の効果になります。
また、それだけではなくダイニングに対してキッチンの床を下げたり、和室の高さを上げることなどは、それぞれにいる人の目線の高さを同じぐらいに近づけられるという別のメリットもあります。
最後に、この家の隠れた見所にもふれておきましょう。それはキッチンです。
写真のようにこの家のキッチンには、美しいビンテージ家具の棚が置かれています。
実のところこのキッチンは、(クライアントお気に入りの)このビンテージ家具に合わせてデザインされたキッチンとなっています。
ビンテージ家具が持つ味や美しさを損なわないようにキッチン全体がデザインされています。
「キッチンにあわせて家具を選ぶ」という考え方が一般的ではあると思いますが、ここでは「置く家具にあわせてキッチンをデザインする」という考え方です。このようなデザインの考え方や手法は、建築家とつくる家ならではであります。
チームスタジオアーキテクツでは、クライアントが家に愛着を持てるように、またその家のオリジナリティーを生みだせるように、大小色々なところにこだわって建築デザインを行っています。
(広報担当 N)