里山と暮らす家

 

里山と暮らす家

 

概要

建築場所 島根県松江市
竣工 2017年5月
施工 平田組

 

広報担当より

この「里山と暮らす家」は、かわいらしくもあり、モダンにも見える外観を持った家です。

煙突のように見える階段室(実は煙突ではなく階段室なのです)やかわいらしい玄関ドア、ドア横の小さな小窓など、まるで南仏の郊外の邸宅を感じさせふるような外観となっています。

日本国内においても、南仏、またはプロバンスを連想させる(ベージュやオレンジ系の色合いでまとめられた)外観の家は、かわいらしさなどから人気で、数多くを見ることができます。

しかし、この家はよくあるそれらの住宅とは異なっています。あえて白とグレーを基調としてデザインされており、それら住宅と比較すると、よりモダンさや大人らしさを感じられるようにまとめられています。

また、この家の注目すべき点として、複数の造作建具などもあるでしょう。

かわいらしくも落ち着いた印象を与える玄関木製ドアとその隣にある小窓は既製品ではなく造作としてつくられています。

加えて、デッキスペースと室内を仕切るサッシについても造作の木製建具です。この木製建具については、高級材であるウォールナットを用いて制作されています。ウォールナットの建具は、木材が持つ独特な光沢が高級感を出すと同時に、耐久性(耐朽性)にも優れているというメリットがあります。

また、キッチンについても一部造作であり(既製キッチン+造作の木製カウンター)、室内のデザインを整え、統一感を出すことに成功しています。

このように造作の建具や家具を設計・デザインすることは、建築家ならではの重要な仕事になります。造作された建具や家具は、全体のデザインの統一感を与える、モダンな印象を出す、高級感を出す、のような目的において重要な役割を果たします。

このように、かわいらしさやモダンさなどこの家のデザインはまとまりを持って完成していますが、裏にはクライアント・施工者・建築家の「チーム」の数多くの苦労によって完成したということにも触れておく必要があります。

この「里山と暮らす家」については、土地に関わる複数の規制や、制約事項(土地形状・裏山の存在・市街地のためのプライバシーへの配慮等)等解決すべき複数の問題がありました。例えば、建物のすぐ裏側にある山は、午前中の光を遮るという問題だけでなく、建築上の厳しい規制も抱えていました。

チームスタジオアーキテクツでは建築家として、光の問題を解決するために2階部分に大きな大開口(窓)を設けることで午前中の光を取り込めるようにし、また規制をクリアーするために、裏山を含めた土地形状を丁寧に調査、それに合わせた設計デザインを行うことなどによって問題を解決しています。

この「里山と暮らす家」は、クライアント・施工者・建築家のよい「チーム」があったからこそ誕生した家なのです。

 

(広報担当 N)